「健全な精神は健全な肉体に宿る」
これはローマの詩人ユウェナリスの言葉。
“健全な精神と健全な肉体は、両立しているのが望ましい”と伝えている。
波乗りをしていると、
その究極的バランス感覚の大切さを知ることになる。
特に肉体と精神のバランスがこんなにも大切なスポーツは他に知らない。
海を相手にするサーフィンにとって、
「つねに楽しむ」という発想はどのように育まれるのか?
ただただ無心で波を観察すると見えてくることがある。
波を「乗る」ものとしての良し悪しで判断せず、ただ割れる波として観察する。
(禅問答のような気もするが・・・)
つねに楽しむという心の余裕は、そんなおおらかな視点から生まれる。
例えるなら、物心がつく前の子どものように、すべてをありのままに受け入れる。
周囲の世界で起こることを、言葉や型に当てはめようとせず無心に物事を観察する。
良いとか悪いとかの判断を下そうとせず、純粋に物事を知覚しようとする。
そのおかげで、大人には見えない発想やものごとの本質が見える。
子供にしか見えない世界とは、そんな視点から生まれるのではないだろうか。
波乗りの世界も同じで、
ただブレイクする波に対して楽しみを見いだせれば、いつも楽しめると思う。
良い波は潮位の変化や風向きによって、一瞬で形を失ってしまう。
不確かな自然を相手にして、執着することの無益さ。
確かなことは「生じたものはやがて必ず消える」という、自然の摂理には逆らえないという事実。
人生には、やっとの思いで手にしたものでさえ、スルリと手を滑り落ちることがある。
「最高のセットがキター!絶対に乗ってやるぅ」と執着を持てば持つほどに・・・。
最高の波への執着を手放すことで、本当に美しい波と出会えるのかもしれない。
(またまた禅問答のようだが・・・)
心を広く、おおらかに構えることで、いつも笑顔で生活していたい。